今回も、前回と同様、レプリコンワクチンのご紹介です。国立 医薬基盤・健康・栄養研究所、VLP Therapeutics Japan株式会社、名古屋医療センター、 北海道大学 大学院 医学研究院、大阪公立大学の研究グループによって開発されています。第2相試験を終え、現在、第3相試験を実施中という段階のようです。
前回ご紹介したMeiji Seika ファルマのレプリコンワクチン「コスタイベ」と同様、Nextパンデミック用のワクチンですが、「コスタイベ」との違いは、
(1)日本で開発されている、純国産ワクチンである。
(2)スパイクタンパクの全体ではなく、スパイクタンパクの受容体接合部(RBD)のみを発現する。
(3)スパイクタンパクRBDが、細胞の表面に固定化される。
細胞表面への固定化の方法として、(資料3)に、『RBDのN末端にSタンパク質のシグナル配列を、C末端にインフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質(HA)の膜アンカーを融合させました。』と書いてあります。
私は、これら3つの特徴の中で、(3)が最も注目すべき点だと思います。なぜなら、スパイクタンパクRBDが細胞の表面(細胞膜)に固定されるため、血中に漏れ出ていく量が少ないことが期待できるからです。
従来のファイザーやモデルナのmRNAワクチンは、発症頻度は低いですが、血栓症や心筋炎などを発症するケースが報告されており、その原因として、血中に漏れ出たスパイクタンパクによるものと、推測されているからです。
また、従来のファイザーやモデルナのmRNAワクチンを接種した後に、さまざまな慢性的な後遺症を発症するケースも報告されていますが、これも、血中に漏れ出たスパイクタンパクによるものと、推測できると思います。
この、今開発中のワクチンでは、血中に漏れ出ていくスパイクタンパクの量が少なくなることによって、それらの発症を軽減する効果が期待できると思います(あくまで私の想像です)。
(資料1)VLP Theraputecs Japan ニュースリリース 第1相試験の結果について
https://vlptherapeutics.co.jp/press/4565
(資料2)VLP Therapeutics Japan 株式会社
https://www.amed.go.jp/content/000119342.pdf
(資料3)医薬基盤・健康・栄養研究所
「RBDが細胞の表面に固定化され」
https://www.link-j.org/bulletinboard/post-6144.html
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